【QC検定1級・論文対策】品質を支える3つのスキル〜技術者のキャリアアップに必要なスキルとは？〜

こんにちは、アドラーです！

今回は「QC検定1級論文対策シリーズ」として、品質を支える3つのスキル〜技術者のキャリアアップに必要なスキルとは？〜というテーマで記事をまとめました。

私のQC検定1級の合格体験談で紹介したようにQC検定では30分で750字の作文を書く必要があり、QCの本質を理解していることが重要です。

QC検定1級を受験される方は、技術者としてのキャリアアップを目指している方だと思います。

キャリアアップをするためには身につけるべきスキルの方向性をはっきりさせておくことが大事です。

本記事を参考に、QC検定1級の受験に向けて自分が身につけるべきスキルの方向性を考えていただけると幸いです！

【筆者の簡単なプロフィール】

出身	東工大修士卒|関東育ち
業界	大手メーカー
職種	研究開発|平社員
社会人年数	5年目
勤務地	西日本|地方田舎

前回の復習

前回の記事では、「品質不良を起こさないための組織づくり」をテーマに記事を作成しました。

前回の記事の要点は以下の3点でした。

1. 「品質を作り込む」とは「品質不良品を作らない」、「品質不良品を万が一製造しても市場に流さない」という2つの対策を絶えず行うこと。
2. 上記2つの対策を行うためには、「人づくり」「仕組みづくり」「もの作り」の3つが柱となる。
3. 品質不良を撲滅する上で最も効果的なのは「未然防止」であり、未然防止の実施には「フロントローディング」が有効

トヨタ必須の17の品質管理手法を伝授 品質の教科書 [ 皆川 一二 ]から引用・一部編集

特に、「品質を作り込むための2つの対策」と、「品質を作り込む力を支えるの3つの柱」をキーワードに以下の概念図を学習しましたね。

本記事の概要

前回までのQC活動のポイントを押さえた上で、今回は品質を支える3つのスキル〜技術者のキャリアアップに必要なスキルとは？〜をテーマにしました。

本記事の概要は以下の3点です。

1. 技術者が品質を支えるために必要なスキルは「品質力」、「設計力」、「評価力」の3つである。
2. 「品質力」は「製品の不具合分析・対策から未然対策まで行う力」である。
3. 「設計力」は「設計作業（Do）から設計企画（Plan）を行う力」である。
4. 「評価力」は、「評価作業（Do）から評価企画（Plan）を行う力」である。

トヨタ必須の17の品質管理手法を伝授 品質の教科書 [ 皆川 一二 ]から引用・一部編集

技術者が品質を支えるために必要な3つのスキルとは？

それでは、品質力（品質を作り込む力）以外にはどんな力が必要になるでしょうか？

本書では、品質を支えるために以下の3つのスキルを技術者は身につけるべきだと提唱しています。

1. 品質力：不具合対策から未然防止までできる力量
2. 設計力：設計作業（Do）から設計企画（Plan）を行う力
3. 評価力：評価作業（Do）から評価企画（Plan）を行う力

トヨタ必須の17の品質管理手法を伝授 品質の教科書 [ 皆川 一二 ]から引用・一部編集

これら3つのスキルが活かせる場面は業務フロー図で考えるとわかりやすいです。

業務フロー図を見てみると上記3つのスキルは以下のように各開発段階で活かすことができます。

業務フロー図を入れる！

技術者としてキャリアアップしていくためには、これら1つ1つの業務フローを経験し、全体像を俯瞰して各力量のスキルアップを行なっていく必要があります。

次の章では各力量のレベルを5つに区分したので、詳しく見ていきましょう。

①品質力：不具合対策から未然防止までできる力量

品質力については前回の記事でも紹介させていただきましたが、暫定処置として再発防止を、恒久的処置として未然防止が重要になります。

品質力を身につけるためには以下のように5つのレベルに分けて考えるとわかりやすいでしょう。

再発防止策はすでに起きている問題に対する処置ですが、未然防止はまだ発生していない問題に対する処置なので、未然防止の方が難易度が高くなります。

この未然防止を行うためには、フロントローディング（開発工程前半で開発課題を早期抽出し、手戻りが困難な開発後期の課題を潰しておくこと）が重要です。

このフロントローディングを実施していくためには、以下の3つのポイントが重要になるでしょう。

1. 過去の品質問題や今回のPJで重要となる要素の見える化
2. 力量を備えたメンバー全員参加で議論し、開発課題を早期に潰すこと
3. 議論して気付いた不具合の可能性を未然防止に繋げること

トヨタ必須の17の品質管理手法を伝授 品質の教科書 [ 皆川 一二 ]から引用・一部編集

②設計力：設計作業（Do）から設計企画（Plan）を行う力

設計力とは以下の5つのレベルに分けられますが、考え方としては「設計”作業”」、「設計”計画”」、「設計”企画”」になるほど高いレベルの知見が要求されるということです。

というのも、設計作業や計画は、大学などで一定のスキルを習得さえしてしまえば誰でもできるようになります。

一方で、「企画」は市場評価から技術的な難易度を考慮して「作戦」を考える作業です。

技術、市場、法令など広範な知識が要求され、設計部門以外への分かりやすい説明も必要になるので、企画職は誰でもできる仕事ではないでしょう。

新入社員の場合は、まずは設計”作業”から行うことになると思いますが、設計”企画”ができるように意識的なキャリアアップが必要になります。

③評価力：評価作業（Do）から評価企画（Plan）を行う力

こちらも設計力と似ていますが、「評価作業を行う（Do）」、「評価結果を分析（Check）」、「評価結果に基づく改善と新規評価の企画（Action）ができる」の順で技術者のレベルは高くなっていきます。

特に定常的な評価作業にも問題があり得ること（N数が多すぎて人的リソースを使いすぎている、2度手間が多く存在している）などに気づくことも技術者にとって重要な力量です。

過去の評価手法が必ずしも正しいとは限らないので、マニュアルの改訂タイミングなどを見計らって、「正しい評価ができているのか？」という問いかけができているか、確認してみると良いでしょう。

まとめ

今回の記事のまとめは以下の通りになります。

1. 技術者が品質を支えるために必要なスキルは「品質力」、「設計力」、「評価力」の3つである。
2. 「品質力」は「製品の不具合分析・対策から未然対策まで行う力」である。
3. 「設計力」は「設計作業（Do）から設計企画（Plan）を行う力」である。
4. 「評価力」は、「評価作業（Do）から評価企画（Plan）を行う力」である。

トヨタ必須の17の品質管理手法を伝授 品質の教科書 [ 皆川 一二 ]から引用・一部編集

今回の記事を参考に今後のQC検定1級に合格するだけでなく、真に顧客に喜ばれる製品開発をすることで日本の製造業を盛り上げていただければ筆者としてはこの上ない喜びです！

次回の記事では、品質力、設計力、評価力を身につけるための具体的な方法について記事にまとめていきます。

特に統計的な手法についてはQC検定1級でよく出題されるます。

しっかりリサーチした上で記事にまとめていくので、次回の記事もぜひご覧ください！

それでは最後に、私の大好きなドラえもんの言葉で今日の記事を締めさせていただきたいと思います。

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「なやんでるひまに、一つでもやりなよ」

— ドラえもん

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